源泉井戸端快議 * 大観荘(湯河原)

大観荘さんでは、毎日16時から『源泉井戸端快議』を開催されています。
せっかく宿泊したので、夫婦揃って拝聴してきました(^^♪

富士火山帯のはじっこに位置する、湯河原温泉。
立ち並ぶ旅館の名前、『○○屋』という屋号の宿は明治期の創業。
『○○荘』は大正~昭和の創業(ちなみに大観荘は昭和3年の創業)だとか。
明治以降、人が押す電車(人車鉄道)が開通してから発展が始まったそう。
昔は帝国陸軍の傷痍軍人さんの保養所としても利用されていたそうです。

では、その「温泉」はどうやってできるのか?
山の落葉広葉樹が雨水を受け止めて、それが地面に染み込んでいきます。
地下に溜まった雨水は、ゆっくりと火山の熱で温められて温泉になるわけです。
雨水が温泉になるまでにかかる時間は、約50年!

温泉って、時間をかけて、すごいエネルギーが蓄えられているのですね。
だからこそ、「温泉に入るのは、エネルギーの塊に入るようなもの」だそうで、
無闇に入りすぎると疲れてしまいます(^^;)
ゆえ、いっぺんに入らずに、分けて入ると効果倍増!
大観荘おすすめの入浴法なら、一泊でも湯治の効果が感じられるとのこと。

2~3分半身浴 → 洗い場に出て休憩 → また2~3分半身浴
この繰り返しで、半身浴を3~5回 *これで1セット。
このセットを寝る前に2~3回、その後2~3回行うのが良い加減だそうです。
その際、頭の上に絞ったタオルを乗せると貧血防止になるそうです。

後半は場所を大観荘秘蔵の(?)源泉の前へ移して。

100811-10

思わず見上げてしまう大きな源泉やぐら。
この辺りだけでこのような井戸が90本近くもあるそうです。
大観荘さんの源泉の温度は85.5度。
他では60~90度くらいで、海に近くなるほど温度が下がり、海水が混じるので
塩分が強くなるとか。
温泉は、高温のお湯ほど成分も豊富なのだそう。
大観荘さんのお湯はお酒で言えば、いわば「大吟醸」ランク!
無色透明より、濁ってたり茶色っぽい温泉のほうが「何となく効きそう」な気がしがちですが、
そんなこと無いんですね~(^^;ゞ

この熱ーい源泉、まずタンクに送って温度を冷まします。
そして、毎朝お客様のチェックアウト後に湯船のお湯を全部抜いて掃除した後、
少しずつすこーしずつ、適温になるように湯船にお湯を張っていくのだそうです。
加水しないで適温にするにはこのようにとっても手間と時間がかかる。
大観荘さんでは、昼間は入浴不可で15時からとなっているのは、こんな理由があったのですね。

この櫓下にあるパイプの太さは何と360メートルもあるそう。
コンプレッサーで圧縮した空気を送り込んで汲み上げます。

100811-11

こちらが、働き者のコンプレッサー。
東京下町でハンドメイドで作られているそうです。
これを作ってくれている職人さんも高齢になってきているとのことで…
日本全国で問題になっている後継者不足、こんなところで温泉業界にも影響がありました^^;
80歳くらいのおじいちゃんがメンテナンスに来てくれているそうです。
おじいちゃん、頑張って~!

100811-12

コンプレッサーだけでなく、パイプなどもすべて、月に一度は全館休業で分解→掃除なさるそう。
大観荘さんの源泉は非常に成分豊富。
その分「湯の花」がパイプの内側にたくさん着いて詰まってしまうのだそうです。
(はー、言って見れば温泉の動脈硬化?)
写真は源泉を仕分ける源泉槽。ここにも湯の花が付着してるのがわかるでしょうか?
それを、職人さんたちがガリガリ削り取るわけです。
更に、3年に一度は、地下に積もった湯の花を細長い鋼鉄製の特殊な工具で取り除く
大きな工事も行う必要があるのだとか。

「…た、大変だ~」と思って聞いていたら。
館主さま曰く、大観荘さんの櫓は作業がしやすいところにあるからまだ良いそうで。
湯河原の源泉の中にはトンネルの奥に出ているものもあり、その場合など職人さんが入るときは
中に酸素を送って作業するのだそうです…(汗)

「見えないところでたくさんの人の手がかかっていて、そのおかげで温泉に入れるんですね」
と、館主さまのお言葉。

今までも、温泉は自然の恵みだなー、と思っていましたが。
今回のお話を伺って、プラス、「人の恵み」でもあるのだと実感。
源泉を守って提供してくださる宿の方、櫓のメンテナンスをしてくださる職人さん、
コンプレッサーを作ってくださるおじいちゃん、などなど。
たくさんの人のお力があってはじめて、温泉の恵みを受け取ることができる。
このことを忘れずに、人に、自然に、感謝の心を持って温泉に入らせていただこうと思います。

こんな風に、温泉の素晴らしさを伝えて下さった大観荘館主さまにも感謝致します m(__)m

100811-14

終了後「温泉知識人認定書」と温泉玉子を頂戴しました♪
この温泉玉子、殻を剥くのがなかなか難儀でしたが、めちゃウマ。

100811-13

こちらが「湯の花」です。
お土産にも売ってます。おうちでお風呂に入れると「プチ湯治気分」が味わえますよ♪
(↑ 実験済)

お話の後、せっせとお風呂に通ってはオススメ入浴法で半身浴を繰り返しました。
結果:「ふくらはぎがすごい軽くなったー♪」@オット
長距離通勤の疲れを癒していただこうという目論見は達成できたようです(^^)v

今まで色々温泉旅館にも泊まってきました。
その際旅館を選ぶ基準は「貸切風呂がある」「部屋付き露天がある」「眺めがよい」など。
駄菓子菓子。前述の話を思い返してみると…
「大観荘さんランクの温泉では一月に一度すべてのパイプの分解清掃が必須である」
と、いうことは。
建物の中にパイプを通して上まで上げたり、各部屋に配ったりすることは「無理」な訳ですね。
(館主曰く「鉄筋がさびて建物が壊れる」そうです^^;)
だとすると。
「屋上展望露天風呂」とか「客室露天風呂」が売りのお宿のお湯は源泉ではなく循環式か、
かけ流しと言ってもそれほど成分が濃厚ではない温泉であろうことが想像できるわけで。

うむむむむ。

旅館を選ぶときの基準って色々あると思いますが。
部屋のしつらいだったり、料理だったり、ロケーションだったり…
その中に、トコトン温泉の「質」に拘ってみる、というのもありなのでは???と
思ったことでありました。

****************************

生粋の源泉宿 大観荘

神奈川県足柄下郡湯河原町宮上 542

℡:0465-62-3785


* 大観荘さんでは、日帰り入浴も受け付けていらっしゃいます。
  詳しくはコチラ
  ぜひ、館主さまのユーモアたっぷりのお話と大吟醸の湯で和んでみて下さいませ(^^♪



スポンサーサイト

Comment

Comment Form
公開設定

Trackback


→ この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。